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2015年12月16日

前立腺炎と腰痛の症例

こんにちは、だるま鍼灸院のヒゲ院長です。
季節は大雪の候。いよいよ本格的に寒くなってまいりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。僕としてはカキ鍋や寒ブリで一杯、なんて思うといささか心おどる季節です。

さて、今回は前立腺炎の症例についての経過報告です。
結構専門的な内容なので、読むのが大変な人は最後の方まで飛ばしてください。

初診:2015年12月1日
主訴下腹部の疼痛と腰痛(右側)
現病歴:三年前から、前立腺炎を繰り返している。梅雨によく発症していたが、冬に発症したのは今回が初めて。
初見:その他の症状に、疲れやすい、朝の顔のむくみ、足が痛むほど冷える、頻尿、尿量減少などがあることから、証(しょう)は腎陽虚(じんようきょ)と立てる。痛む部位は右の腎兪(じんゆ)から小腸兪(しょうちょうゆ)にかけてと、腹結(ふっけつ)から気衝(きしょう)辺りの下腹部。触診すると腰椎の5番にすべり症が有り、そこにも圧痛がある。その他、気分の落ち込み、不眠、多夢、下痢、アレルギー性鼻炎がある。
治療:横向きに寝てもらい、腎兪[両]、命門(めいもん)、に刺鍼し、腎陽を補う。患者さんは鍼をした瞬間、右足先まで何かが走ったと言い、直後に足が暖かくなる。腰椎5番のすべり症の部分にも圧痛があるので、大腸兪(だいちょうゆ)[両]、上仙(じょうせん)、腰冝(ようぎ)[右]、関元兪(かんげんゆ)[右]にも刺鍼し、そのまま10分置鍼。その後仰向けになってもらい、太渓(たいけい)、関元(かんげん)、中極(ちゅうきょく)補腎(ほじん)し、膀胱の約束をはかった。あとは、太衝(たいしょう)、内関(ないかん)、壇中(だんちゅう)疏肝理気(そかんりき)し、尺択(しゃくたく)で肺気を補った。15分置鍼。抜鍼後、だいぶ痛みが軽減されていたので、その日の治療はここまでにした。仕事が忙しく、なかなか治療に来れないようだったので、漢方薬として至宝三鞭丸(しほうさんべんがん)を飲むといいと、アドバイスした。
第2診、初診の鍼のあと、足が暖かくなり、そのまま足の冷えは気にならないとのこと。腰痛と下腹部の疼痛も治療後4日目からでてきたが、以前ほどではない。鼻炎がまだ辛そうだったので、前回の配穴に印堂(いんどう)迎香(げいこう)を加えた。
第3診の問診時、便通が良くなり、鼻も通ったと喜んでいた。疲れ、顔のむくみ、気分の落ち込みもなく、顔色も良い。不眠、下痢、頻尿もない。腰痛と下腹部の痛みもずいぶん軽くなり、おきる頻度が減ってきているとのこと。その日は、すべり症の治療を重点的に行いつつ、腎陽を補った。経過良好。以後治療中。

以上です。しっかりと弁証論治(べんしょうろんち)をやれば、たった3回の治療でずいぶんとよくなります。そうして、身体の様々な不調が一緒に治っていき、元気になることが鍼灸の醍醐味であり魅力だと思います。これだけ様々な症状があれば、患者さんは、整形外科、泌尿器科、耳鼻科、内科、心療内科など、複数の専門的な科をそれぞれ受診しなければならず、結構な労力を使います。そこで、全体的な「森」を見る東洋医学と、細部の「木」を見る西洋医学が、お互いに助け合い、高め合えれば、もっと治療の幅は広がり、素晴らしい医療体型が出来るのではないでしょうか。それが、統合医療だと思います。

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