2015年11月12日
こんにちは、だるま鍼灸院のヒゲ院長です。
前回のブログでは腸内細菌の働き(腸内細菌の「腸能力」)についてお伝えしました。今回はそんな縁の下の力持ちである腸内細菌の増やし方です。
まずは、自分の腸内細菌の量をどうやって知ればいいのか?というところからお話します。
結論から言うと、ズバリ便の量です。
食物を食べると、それらは消化管を通って消化吸収され、その残りカスが便となって排泄されるわけですが、実は便の成分の大部分は腸内細菌の死骸です。腸内には平均して1~2kgの腸内細菌が住んでいるのですが、現在日本人の腸内細菌は戦後すぐに比べて半分にまで減ってしまっています。そうなると、おのずと便の量は減り、さらには便秘を引き起こしたりもします。理想的な便の量は毎朝バナナ一本分なのですが、そうではない人が非常に増えてきています。
なぜ、戦後ここまで便の量が減ったのかというと、主に「食の変化」があげられます。ストレスや、運動不足も原因になるのですが、今回は一旦食に絞ってお伝えしていこうと思います。
まずは、クイズです。
【問題】以下の食品に共通する特徴は何?
➀食物繊維
➁海藻類
➂きのこ類
➃オリゴ糖
【答え】胃で完全に分解されず、腸まで届く。
これらの食品が未消化のまま腸に届くことで、腸内細菌のエサとなり、どんどん増えていくのです。
食物繊維が豊富に摂れる食材としては、玄米、納豆、サトイモ、サツマイモ、セロリ、レンコン、おから、タケノコ、あずき、ニンニクなどがあげられます。特に玄米を主食にすると、毎日コンスタントに食物繊維が摂れるのでおすすめです。玄米の美味しい炊き方は次回ミナエ先生に詳しく紹介してもらいます。
海藻類やキノコ類にも食物繊維が豊富に含まれています。海には生命に必要な微量成分がすべて存在し、海藻はそれを凝縮したものなので、たいへん身体に良いのと、キノコにはβ-グルカンという抗がん作用のある物質も含まれているので、積極的に食べましょう。
残るはオリゴ糖です。
オリゴ糖は熱や酸に強く、分解されずに腸まで届きます。オリゴ糖を多く含む食品は、大豆、ゴボウ、たまねぎ、ニンニク、アスパラガスなどの野菜類です。スーパーなどで甘味料として売られているオリゴ糖の中には、腸に届く前に分解されてしまうものもあるので気をつけましょう。腸まで届くオリゴ糖成分の代表的なものにラフィノースやフラクトオリゴ糖などがありますが、成分表を確かめずに買ってしまうとそれらが数%しか含まれていない場合もあり、それではあまり意味がありません。
あとは、発酵食品から直接菌を摂る方法です。
菌は酸に弱いため、90%は胃酸で死んでしまうのですが、菌の住み家である溶液は腸まで届きます。この溶液が腸内細菌を守り、彼らが住みやすい環境に整えてくれるので、全くの無駄死にというわけではありません。代表的なものにヨーグルトがあげられますが、普段私たちが口にしている、醤油、味噌、麹(こうじ)、ぬか漬け、納豆などの方が植物性で安全です。というのは乳牛自体が感染症予防のために抗生物質を飲まされている場合があるからです。もちろん植物性であっても農薬や添加物、遺伝子組み換え食品などは気をつける必要があるので、信頼のおける生産者からの購入をおすすめします。
食べ物ひとつ選ぶのに、ここまで気を付けなければならないというのも大変な話なのですが、もともと日本人は玄米を中心に、畑で採れた季節の野菜、海藻やキノコの入ったお味噌汁、お漬物にお醤油を少々などと、何も気にすることなく日常の中でパーフェクトな食事ができていました。話は少し変わりますが、そんな素晴らしい食文化をずっと守り続け、体感させてくれるお店が山口市の仁保にあります。なないろのんたというお店です。どの料理も素晴らしく、食材へのこだわりとその多彩な味付けにはいつも感激させられます。良かったらぜひ一度行ってみてください。
腸内細菌とのより良い関係性を築いていける食文化として、いま日本の伝統食が世界中で注目をあつめています。「腹の虫がおさまらない」「虫の居所が悪い」などということわざがありますが、そんな時は日本の伝統的な朝ごはんでも食べて腹の虫を可愛がってあげましょう。
~実体験記録~
主食を玄米に変えてから半年が経ちました。普通にお酒を飲んだり、好きなものを食べたりもしますが、以前に比べて便の量が3倍に増え、お腹周りもだいぶスッキリしました。-3kg減。ありがとう玄米さん。
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