鍼灸について
小さな子供は、生まれて初めて出会うウィルスや細菌と闘うために、常に免疫細胞を活性化させています。子供に肩こりや腰痛がないのは、免疫細胞がその原因に対してすばやく対処しているからです。
しかし、年を重ねるごとに免疫細胞は働きにくくなり、慢性的な肩こりや腰痛といった症状が出てきます。身体に鍼をするということは、あえて小さな傷をつけることで、免疫細胞を患部に強制的に集め、働いてもらうということです。それを何度か繰り返すことで、免疫細胞が活性化した状態を身体に記憶させ、治癒していくのです。
鍼をすると、吐いたりだるくなることがありますが、それは例えば胃腸の弱っている人が食べ過ぎていたり、忙しくて全く休んでいない人に対する身体からのメッセージです。吐くということは少し胃腸を休ませなさい。だるくなるということは一度ゆっくり休みなさい、ということです。
常に忙しく、交感神経が高ぶっている状態が続くと、だんだんと身体からのメッセージが聞こえなくなっていきます。鍼には逆に副交感神経を優位にし、身体本来の状態をひきだしてくれる力があります。
それが、鍼は身体を正直にするということです。