2015年10月07日
こんにちは、だるま鍼灸院のヒゲ院長です。
中秋の名月も終わり、いよいよ秋が深まってまいりました。
ご近所さんの田んぼも概ね稲刈りが終わり、秋の物悲しさが漂うさなか、夕日のあかね色が実りを終えた田を染め、憂愁の美を飾る様子は冬入り前の一時の愉しみでもあります。
さて、今回のテーマはそんな秋の養生です。
春夏秋冬、季節の変わり目とういのは心身ともに疲れがでやすいのですが、この時期特に気をつけたいのが「カゼ」です。
「な~んだ、ただのカゼか~。」なんて言っていると、あっという間に熱は40°、肺炎、気管支炎、中耳炎を併発するなど、いささかやっかいな病です。
中医学では秋を「肺」の季節、乾燥を「燥邪」と分類しています。
夏から秋にかけてだんだんと空気が乾燥し、燥邪が肺を犯すため、カゼをひきやすくなるのです。
これを防ぐための食養生としては、まず冬瓜、キュウリ、ニガウリ、ナスなどがあげられます。ウリ科の野菜は夏の余熱(ほてり)を冷まし、肺を潤す効果がありますが、生のままだと身体を冷やしすぎるので、必ず火を通して食べましょう。
それに加え、粘膜を強くし炎症を抑える効果のある「黄色いもの」(カボチャ、柿、パプリカなど)が冬のカゼの予防になります。菊の花も、「仙人が住む所に咲く」といわれ、長寿や解熱の薬として古来より親しまれてきました。現在でも、お茶や和え物にしていただくことができます。
果物では、ナシやイチジク、リンゴなどが唾液の促進につながり、粘膜の乾燥を防ぎます。
「もうすでにカゼをひいてしまっている」という方は、漢方と鍼灸もカゼに効果があります。
カゼの特徴として、寒け、発熱、首肩のこわばり、の三大症状あげられます。
ゾクゾクとした寒けや、首肩のこわばりを感じるのがカゼのひき始めです。
この段階では葛根湯(カッコントウ)や麻黄湯(マオウトウ)で身体を温め、汗をかきましょう。
汗が出た後、熱が出るようであれば抗ウィルス作用のある銀翹散(ギンギョウサン)がおすすめです。
漢方のカゼ薬といえば、葛根湯や麻黄湯が有名ですが、汗をかいた後もそのままのみ続けると、逆に体力を消耗させることもあるので気をつけましょう。
続いて、節々の痛みや胸の痛み、頭痛などの「痛み」を伴う場合は鍼灸も併用するとより効果的です。
その場合は、風池(フウチ)、風府(フウフ)、風門(フウモン)、などの「風邪(フウジャ)を祓うツボ」をつかって治療します。
西洋薬と漢方薬との違いは、解熱剤は発熱因子を阻害し「強制的に熱を下げる」のに対して、銀翹散は肺粘膜を強化し、自己の免疫力を高めて「自然に熱を下げる」というところです。
あまりの高熱の場合は、病院でお薬を処方してもらうことが大切ですが、ちょっとしたカゼの場合は漢方と鍼灸で治すことがその後の免疫力を高め、カゼをひきにくい身体をつくることにつながります。
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